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コブクロさんが大好きなので(//▽//)

…好きなことに関しては、
熱く語ってしまいますww


コメントがあると…
尻尾がちぎれるくらい(笑)
嬉しくなります壁|▽//)ゝテレテレ


こんな私ですが。。
皆さま宜しくお願いいたします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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物語【平和 ~優しい奇跡~】(8)

♦♥♦○o+一筋の光+o○♦♥♦

真っ暗闇のなかで、上空に星があちこちに散らばり
まるで宝石箱のようなそんな夜。。


上からお星様が心配そうに見ている…





ここは救急車の中だった。。
「………ハア…ハア。。ハア…かっ…かおり……………?」


「先生!意識を取り戻しました!!!」



手で吸入器を外し。。香織に向かって
「敏海くんは?……敏海くんはどうなったの??大丈夫なの………?」



「大丈夫よ!大丈夫。。。大丈夫だから!!もう何も話さないで……。」




「そう。。良かった……………あっ。。あのね!
私…将来弁護士になるって決めたの。。香織には言わなきゃ…と思って。。。」


「うん。。分かったから!
お願いだから…もうこれ以上何も話さないで!!お願い。。お願いよ……」










「。。。ほんとに……………良かった。。敏海くんが…無事で……」
意識が遠のくように目を閉じた。。
目の前が真っ暗になる…




「……夏美?……………夏美っ!夏美!?

………ねぇ、目を開けてよ。。。夏美ーーーーーーーーーー!」







すぐ目の前にある病院は。。夜の闇に佇み
どこか威圧感のある恐ろしげな雰囲気の建物のように感じられた…

ストレッチャーで運び出された夏美は手術室へ向かった。







二時間後にドアが開いて…
「血が……血が大量に失われていて血液が足りません!!!
誰か輸血できる方はいらっしゃいませんか!?」

「私!出来ます!!!
どうか。。私の血を使ってください!お願いします!!!!!」



「分かりました。。一緒に来てください!」

ひんやりとした廊下は
今は夏なのに…冬のように寒く感じられる。。

足音が響く中、二人はズンズンと歩いていった















それから12時間以上が経った頃、ドアが開く。。
「手術は成功しました!

…もしあなたの血液が適合しなくて、
あと1分でも遅れていたら助からなかったかもしれません。。
冷静なご判断とご協力をありがとうございました!!!!! 


良かったですね。。





……あの!気になることがあるのですが、
どうして早いご決断が出来たのでしょうか?」



「それは…前もって内密に調べたからです!」






「そう。。。凄いわね…

………さっ!早く早く!!
足立様のお傍にいてあげてください!もうすぐで目が覚めると思いますよ」



「はい。。ありがとうございました!ほんとに。。」と涙を拭う

ストレッチャーで運び出された夏美と一緒に
個室へ向かう。。





それから暫らくして部屋を出て行き
1階にある公衆電話で、再び夏美のご両親に電話をかける

すぐ駆けつけていきたかったのだが、
二人とも共働きなので仕事の都合で外せなかったという。。


安堵した声を電話越しで聴き
受話器を置いた。




「ふーーっ。。」と溜息をつく…

(あんなこと言っちゃったけど……
目が覚めたら夏美にどう話そう。。敏海のことを…)


重い足取りで夏美のいる部屋へと向かった











目が覚めた頃は、もう夕方だった。。
窓から頬に靡く風は暖かかった…


ベッドの横に香織が寝ている
ずっと傍にいてくれたみたいだ




「……かっ。。香織?香織なの??」


「なっ………夏美!?夏美……。

よっ。。良かった…大変だったのよ。。凄く大変だったんだから」と泣きじゃくる香織。。



「そんなに泣かないでよ~こうして生きてるでしょ?
生きてるんだから。。もう泣かないで………



心配かけてごめんね。。」





「……あっ。。あのね!敏海のことなんだけど………」

「大丈夫なんでしょ?意識は飛んでたけど、ちゃんと聴こえてたよ!
ほんと。。良かった…」



「うん。。良かったよね!ねっ、夏美!!」と思いっきり腕をたたく


「もうーーー手加減してよね!病人なんだから(笑)」

いつもの笑い声が部屋いっぱいに聞こえる
敏海のこと上手く話を切り出せなかった香織は胸が痛んだ








入院した翌日、点滴が終わって
夏美がぐっすり眠っている間に看護婦さんから
(『意識を失う前からの一部が記憶にないので用心してください!』と言われたっけ。。
あぁ。。まだ言わないで良かった…安静にしてなきゃね)と強く心に誓う香織だった





目が覚めたら、これまでのことを話してくれた。
ただ一つを除いては…



何と香織は先生からの知らせを聞いた後すぐに
こっそりメールを素早く打っていたという。。

そして誰にも気づかれないよう3階に行って
3年になりすまして潜入捜査をしていた。

殺された生徒には仲間がいた
いじめの他にも宝石強盗や、なかには殺人を犯した人も何人かいて…



ポケットの中には盗んだ宝石が入っていたとのこと。。
「調べると色々と出てくるもんだよね~」と得意げな顔をして言っていた。


逃げようとした生徒も何人かいて、足をかけ転ばせ
柔道で習った技で全員確保した……





香織の父親は警察官で、その日は応援で来たらしい。。
実はさっきメールをした相手がお父さんだったという


将来は警察に勤めるのが夢で
今修行をしていると前に聞いたことがあったっけ…

だからあんなにも強いんだと
いつも感心していた



ちなみに殺人を犯してしまったお兄さんは
呆気にとられて、次々と生徒が捕まっていく様子を見ていたのである。。。






それから3日後。。夏美が退院した…
まだ安静が必要だったので、しばらく学校を休んでいる。。

早く敏海に会いたくて会いたくて溜まらない夏美は
落ち着かない毎日を過ごしていた











そして登校する日がやってきた。。
久しぶりに学校へ行くのでドキドキしている夏美は、早く家を出て行った…

まだ敏海は来ていなかった。。



生徒がどんどん入ってきても来る気配が全くない
お昼休みになっても帰る時間になっても

とうとう来なかった……



「。。夏美……」

「ねぇ…香織?。。どうして敏海くん来ないの??ひょっとして何かあったの?
大丈夫って言ったよね?あれは。。嘘だったの??」







「じっ…実はね。。夏美………敏海は遠い病院に移ったの」


「………。」


「出血がひどかったの。。手の血管が切れる寸前で
手術がとても難しくて…大きい病院で診てもらわないといけなかったの」


「なっ。。なんで?どうして??大丈夫だって言ってたのに!!!!!



どうして……………もっと早く言ってくれなかったの?」




「…看護婦さんから安静に!用心してね!と言われたの。。

夏美が治るまで、あまり刺激を受けさせないように
敏海のこと言わないと決めたのよ………」






「そっ……それでも、言って欲しかった。。。」と泣き崩れる夏美


(だから。。だから!言いたくなかったのよ……………
こんな姿…見たくなかった。。)と思いながら夏美をぎゅっと抱きしめた。。













『ルルルルルールルルルルー♪』と着信音が鳴り出した

「はい。はい…そうですか。。

分かりました。ありがとうございました……」と電話を切る



「どっ…どうしたの?香織??」



しばらくの沈黙のあと。。


「……敏海が。。敏海が







意識を取り戻したって!!!!!今さっき!」



「………良かった。。本当に良かった…

わっ…私のせいで死ななくて本当に良かった。。。


良かった……………」両手で顔を覆って涙を隠した






いつまでこうしていただだろうか。。
青空は、いつの間にか…もう夕方になっていた


「よし!帰ろうか」

「うん!!」
涙を拭った夏美は、もういつもの笑顔に戻っている。。

泣いていたとき…何も言わず黙って見守り続けていた香織という存在が、
何よりも心強くて愛しく思えた夏美だった。。



























それから数日後のことだった…

地震が起きた。。



あの時、理科室でフラスコが辺り一面に落ちていたのは
余震のせいだったのだろうか。。

そのことを思い出した夏美は、急にズキンと頭が痛くなった



テレビで地震の速報を見た夏美は、学校の門を出て行こうとしていた

「夏美…夏美!落ち着いて。。。」

「だって…だって!!!
あそこには敏海くんがいる病院なんだもん!


(やっと…自分の気持ちに気づいたんだよ?
まだ。。伝えられてないことがいっぱいあるんだよ?こんなことって……

それに…あの事件が起こる前
先生が来て言葉がかき消されちゃったけど、『大事な話』があるって私に言ったよね


その言葉。。まだ何も聞けてないんだよ?
あの事件以来、まだ一度も会えてないんだよ?話してもないんだよ??)





………いかなきゃ。。敏海くんの所へいかなきゃ…敏海くんがし。。」


ぱちん!と平手打ちの音が辺りに響き渡った

「しっかりして!夏美!!!
言霊って知ってる?その言葉を言ったら、本当になるのよ!!!!!!!


その意味分かってる?」



「……」



「。。だから信じるの!もしかしたら…難を逃れて、
どこかへ避難したかも知れないでしょ?とにかく無事な事を祈るの!

死体はまだ見つかってないんだから
希望を持たず最初から諦めるのは絶対駄目よ。。。」



「でも…もしかしたらって、つい考えちゃうよ!!!
そしたら私。。生きていけない………」

両手で顔を覆った夏美を、香織はさらに追い討ちをかけた。。


覆っていた両手を引き剥がして
「あっ。。あんた……今生きていけないと言った?
冗談じゃないわよ!?今、死なれちゃ困るわ!

弁護士になるって私に教えてくれたでしょ?
あの夢はどうなったの?逃げ出すつもり??


敏海のことよりも、少しは自分の事を考えたらどう?!
もっと自分を大切にしてよ!



それよりも…何よりも!あなたの中に私の血が流れてるのよ。。」



「えっ?私。。何も聞かさ……」


「私が言わないでと看護婦さんに口止めしたのよ!」


「………」




「私の血が流れてるんだから!
死にたいなんて、もう絶対言わないで!!!!!

……なんで夏美を救ったのか分からなくなるでしょ。。?




私の血と夏美の血!両方合わせたら無敵でしょ?
だから大丈夫よ♪


私のように前向きな事を考えたら、
いつか奇跡だって起こるかもしれないよ!」とウインクした。。




「………香織。。ごっ…ごめんなさい……………

本当にごめんなさい。。。傷つけて…」

泣きながら謝り続ける夏美を思いっきり抱きしめた。。



「大丈夫よ……大丈夫。。絶対、大丈夫だから…………」
敏海のいる方向へ向きながら、
同じ言葉を繰り返していた香織だった






周りも復興で人々が協力していくなか
毎日がどんどん過ぎていった。。

食べ物も生活にかかせない物も
色々とお互い支援しあい


今もこうして皆んな無事に生きている



















あれから2ヶ月が過ぎた頃だった…
違和感を覚えたのは。。

1週間経っても2週間経っても
ずっと生理が来なかったのだ……


こういうときは来ないほうが安心して過ごせるんだけど
おかしいなと思い、ずっと向こうの方にある婦人科の病院へ

内緒で一人で行ってみた夏美だったが






「流産されていますね。。」
とお医者様から言われ唖然とした


「……えっ。。妊娠していたのですか?」


「気づかなかったのですか?」




「えっ。。ええ……」



「お腹をひどく損傷していて、
もう子供を産むことが出来ない身体になってしまいました…ですが。。


もっと詳しい検査をしないと分かりませんので、今日は検査入院をしてください」




「はっ。。はい…分かりました………」

その足で1階の公衆電話まで来ていた。。



「あっ。。もしもしお母さん?一泊二日、お友達の所に泊まるから
家に帰れない…急でごめんね」と電話を切る夏美




気づけば。。もう夕方になっていた…
窓を見ると夕日が西に沈む所だった


(。。お母さんに嘘ついちゃった……どうしよう?初めて嘘をついたかも。。

………これから私。。どうなるの?

まだ先のことだけど…子供を産むこと出来ないの?



流産って何?分けわかんない。。。)と急に頭が痛み出した


「いっ。。痛い……この間から何?何なの??この頭痛…」
記憶が鮮明に蘇えってきた。。




(……あっ。。あれがそうなの?ただ襲われただけだと思ってた。。

どうしよう………。あの人の子供だったの…?


流産されたって聞いたけど、もう敏海くんに会わせる顔がない………


もし万が一、生きていたとしても…
もう会わせる顔がないよ。。。。。)と思った途端、涙が溢れた…



泣いているうちに、いつのまにか眠ってしまっていた













漆黒のベールに包まれた真夜中に
窓から光が差し込んできた。。

あの兄弟がやってきたのである
今度は二人とも分身だ……


「やっぱり、あの時!
記憶と共に俺たちとの記憶も消せば良かったんだ……」

「でも。。その子が消さないとそう望んだ」



「…だけどもよ。。こんな結末は望んでない」


「運命は逆らえないんだ。。」







「それなら!俺が運命を変えてみせる!!
将来を決めるきっかけになってしまったのが俺達の責任でもあるんだぜ?


…それに兄貴も聞いただろう?
『もっと自分を誇らしく思ってください!』と。。

俺達のことを怖がりもせずに真剣に向き合ってくれた……


………そういう人の子に会ったのは産まれて初めてなんだ



そんな人を。。


そんな人を……俺は。。。

俺が未熟だったばっかりに、俺のせいでこんなことになってしまった!?」




「違うよ!この間も言ったけど、誰のせいでもない。。誰のせいでもないんだ!!
そんなに自分を追い込むな!!!!!」









兄の言葉を無視して…

「。。これが…俺にできるせめてもの償いだ」
手をかざして、呪文を唱え始めた…





「やっ。。やめろーーーーーー!やめるんだ!!!!!」
と手をぎゅっと握り締める。。


「この呪文はな…
リスクが大きすぎて、お前そのものが消えてしまうんだぞ?

その意味分かってるのか!?




頼むから…僕を一人にしないでくれ。。。頼む……………」










「うるさい!離せっ!
お願いだから黙っててくれ!!集中してるんだ…








………ごめんな…こんな俺が兄貴の弟になんか生まれてきて。。。」


首を横に振る兄を見つめ

笑顔を浮かべながら儚く消えていった。。




一人残された兄も。。その場を離れ
元いた場所に戻るため、弟を追いかけるようにして消えてしまった…



涙を残して。。














まだ真夜中の窓の隙間から、まばゆい光に照らされて
不思議と体があたたかくなった夏美は
「うーーーん。。」と伸びをした…

何か話し声が聴こえたような気がして、ふと目が覚めた。。






でも目の前には、もう誰もいなかった……
あとかたもなく消えてしまっていた。。


不思議な夢だった…
とっても不思議な……でもどこか切ない悲しい夢だった。。。

一度目が覚めたけど、また深い眠りについてしまう……













朝の太陽の光が、
窓から差し込んで小鳥のさえずりが聴こえてくるなか目が覚めた。

とうとう朝が来てしまった。。
検査の前に朝食をとり、やがてその時間がやってくる…


念のために身体の隅々まで診てもらうことになった





全ての検査が終わった後。。
看護婦さんに呼ばれて診察室へ入っていった

そして入った瞬間、薬の匂いがツーンとしたのである…
消毒液のようなそんなにおい。。


今、自分がいるこの場所が病院だということが
改めて実感する夏美だった……


「足立さんですね?」

「はい。。よろしくお願いいたします…」





昨日の診察記録と、先ほど診察したカルテを見比べながら

「さっき。。隅々まで検査をしたのですが…

全て診た結果、何も異常は見つかりませんでした。ただ……」



驚いて椅子からパッと立ち上がる
「えっ…?だって。。昨日言ったじゃないですか、損傷していると……」



「ええ……私も、この結果を見たら不思議に思いましてね。。
何度見返したことか………!?

呪文や魔法を使わない限り。。決してありえないことが
今まさに起きたのです!これは奇跡と呼ぶべきかどうか…」


先生は首を振り、鼻息を荒くして言った
「。。いいえ!この状況はまさに…まさに奇跡です!?
奇跡が起こったんです!しっ。。信じられない……………」


「先生、落ち着いてください!」




はっと我に返った先生は。。
「ごっ。。ごめんなさい…!私としたことが。。。」カーッと顔が赤くなった


「こういうの好きなんです!大好物で……あっ!すみません!!!
不謹慎ですよね……!患者さん相手に、こんなことを言ってしまって……

つい。。興奮してしまって…(笑)ごめんね、足立さん。。」



「いっ。。いいえ!いいえ!!
謝らないでください…だっ大丈夫です!!!」
何に対して大丈夫なのかと一瞬思いを巡らす。。

こんなフレンドリーなお医者さんに出会ったのは初めてだった
意外な一面も見られて嬉しかったと夏美は思う……


(世の中には、こういう先生もいるんだな)としみじみ思った








辺りはもう夕日に染まっていて、もうすぐで日が暮れる頃だった
すっかり話し込んでしまった。。

突然、お医者様が…


「さっき、話の途中で途切れたんだけど。。
ただね?ただ……………











子宮がないの。。

昨日までは確かにあったんだけど…おかしいわねぇ。。。
何故なのか分からないけど、なくなってしまっているの……


リスクは高いけど、でも移植をすれば望みは……………」


『夏美ちゃん?!』の声を残して…先生の言葉を最後まで聴かず、
お辞儀をしてその場を走り去っていってしまった。。




気づけば、もう季節はすっかり秋めいていた。。
金木犀の甘い香りが漂い
茶色や赤といったグラデーションが彩っている

そして、紅葉がはらはらと地面に落ちていく


こんな季節の風は、心地よくて優しくて
あまりにも優しすぎて…

体に染み渡って泣けてくる。。



そう。。夏美は泣いているのだ…
涙がもうこれ以上出ないくらいに、誰もいない所で泣き続けた





………全てを察した。。
(あの夢は本当のことだったんだ……って言うことは、あの二人はひょっとして。。


私を助けようとして、
自らを犠牲にして消えてしまったんだわ…おぼろげだけど微かに覚えてる



どうしよう。。取り返しの付かないことをさせてしまった…!
お兄さんが一人きりになってしまった………どうしよう。。どうしよう!!!!!








前に…香織が言ってた。。大変な手術だったと……
何の手術かは香織には分からなかったみたいだけど

その手術は。。
お腹の中で流産した子供を取り出すためだったんだわ


……子宮の事は残念だけど
ただ。。そこまでは行き届かなくて、治すのに必死で守りきれなかっただけ…

一人の命を失うのに比べれば大袈裟なことじゃない。。。)


「………でも何で。。どうして涙が出てくるの?」







遠くから香織の姿が見えてきた
(どうしよう。。。
ここに来たことが分かってしまう…理由も聞かれてしまう……どうしよう!)

その辺にある枝を使って、指や足を刺し
すばやく絆創膏を貼る。。あとで診てもらえばいい…


「夏美!どうしてここにいるの?」

「……香織こそ、どうしたの??」


「親戚のお見舞いで来てたの。。もうすぐで退院だって!」


「そう。。良かった!」




心配そうに見つめ
「夏美の方こそどうしたの?その指は??」

「ちょっと、歩いてる時に転んじゃって。。えへへ(笑)」


「えへへじゃないわよ!全くもう。。気をつけてよね!!

今年はよく病院に行くわね。。病院に、何かご縁でもあるんじゃない?
もう二度と怪我なんかしないでね!心臓がいくらあっても持たないわ……



待たせているから、もう行かないと。。。じゃあね!夏美!!」
と手を振り、親戚のもとへと向かっていった…








そして振り返り。。大声で…
「夏美ーーーーー!何かあったら、一人で抱え込まず
ちゃんと私に相談してよね!隠し事はなしよーーーーーー!!」と帰っていった。。









病院にご縁がある…確かに本当にそのとおりだ。。。

香織は察しがいい。。
何かあったのかと、すでに見抜いている……


気づかれてしまうのは時間の問題だ







「………香織にも嘘ついちゃった。。。」




(もう後戻りは出来ない……それに。。復興で大変なこの時に、
こんな事とても言えない………誰にも迷惑かけたくない)


誰にも知られずに、死ぬまで嘘を突き通すと覚悟し
心に誓う夏美だった………。












「さっき、病院の外へ出てしまってすみません!
お金を払いに戻りに来ましたーーーーー!!」と受付の方へと向かった。。





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物語【平和 ~優しい奇跡~】(1)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-600.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(2)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-601.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(3)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-602.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(4)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-603.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(5)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-604.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(6)
http://namekoko75.blog.fc2.com/blog-entry-607.html
物語【平和 ~優しい奇跡~】(7)

テーマ:ショート・ストーリー
ジャンル:小説・文学

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